『建築士と建築家の違いとは/前編』に引き続き、「建築家」についてご説明します。
【『建築家』とは?】
「建築家」には資格や免許が必要なのでしょうか?
一般的に「建築家」と呼ばれる場合は、資格も免許もありません。
極端に言ってしまえば、「私は建築家になりました。」と言ってしまえばあなたは建築家になれてしまうのです。
しかし、それは「自称建築家」でしかありません。
建築家という資格が存在しないため、この様な曖昧な立場である建築家ですが、何よりも最低限「他人から認められること」が必要になります。それには多くの知識や経験、実績が必要になるでしょう。
重視すべきは、設計に対する自分自身のベクトルがぶれないでしっかりとしていること。デザインやセンスはもちろん磨き抜かれたものでなくてはなりません。意匠を得意とすることも、建築家としては必要な条件になってきます。
独特のセンスとこだわり、建築に対する思い入れの強さ、加えて実質的な実力を兼ね揃えて初めて「建築家」という立場が立証されるのです。
【適切な『建築家』を見つけるには?】
では、どのようにすればよりよい建築家を見つけることができるのでしょうか。
唯一の基準点といえば、「日本建築家協会」(JIA)というものが存在します。
公益社団法人 日本建築家協会
この会員であれば「建築家」としても立場が確立されるのですが、入会資格として、一級建築士取得後5年の実務経験と会員2人からの推薦、年会費7万円という高いハードルがあるために、建築家としての実力があっても入会しない人がたくさんいます。
建築家という立場は非常に曖昧なものではありますが、設計に対して自分自身の考えに基づき、自分の責任上で設計業務を行うこと。そして何よりも、自分はもちろん他人からも認められていることが建築家としての最低条件だといえるでしょう。